馴れることを防ぐために思い切って、店の中の飾りをシンプルにした。これまで築きあげた(?)MUSEのイメージを一掃する効果はあったようだ。
それでも全くの白紙状態にすることは出来なかった。建物自体が持つ生の感触が、音楽や店に出入りする人間とは遠距離に位置するような、あまりに怠惰な情景に見えたからであった。
いま、店の中を見わたしていて殺風景だと、びっくりしていた常連のため息もよく判る。
とにかく、バランスを外していた意識的な顕示欲の旺盛さから比較すれば、たしかに温和に変化したかも知れない。一瞬、殺風景と映るかも知れない。
それが、馴れ、慣れだと思うのだ。《1981年6月23日(火)ノートから》。

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