《1981年1月3日(土)》
暮れから正月にかけては、故郷で過ごすことが多い。それは、大晦日には年越しそば、元旦には雑煮という、面倒な習慣が控えているせいでもあろうか。どちらの食べ物も、簡単で手軽なものには違いないのであるが、風習として攻められると、自分の手で整えることの煩わしさを感じてしまう。行事の中に、ただ置かれることには抵抗はないが、自身がその一端を担わないと、同じ雰囲気に浸れないというのはつらい。
なにせ、ぼくは独り者なのである。
というわけで、年越しそばもなし、雑煮もないという、いくぶん淡白な1980年から1981年への交代であった。
もっとも、食べ物の習慣は、かたちだけのものだから、大して拘るものは何にもないのだが。
と思っていたら今朝から、妹や兄や母から、正月がわんさか届けられて、小さな冷蔵庫は、いっぱいになってしまった。豊かさの反動も身にしみてつらく感じる。

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