2011年7月22日金曜日

酔い

《1980年7月22日(火)》
難しい話が、どどっと襲ってきて、頭が耐えかねて混乱をきたしているこの頃だ。
自分の年齢くらいの自信はままあるが、それだけでは十分ではない複雑な情況に及ばなくなる。

酔うとくどく、更に酔うと暴言的になる亭主を、ウイスキーボンボンで酔う私は冷ややかに見下す。曰く彼 「判ってんだ、お前は飲むほどに冴えてくるタイプが好きなんだろ」 ああ、また今日も始まったァ・・・・・しかし、齢30にもなった私はつくづく思うようになった。飲むほどに冴えるは、飲んでも酔えぬ誤りで、下戸と同族の不幸感を表現していると。
かくして、下戸は酒に対して一片の憎悪と果てしない憧れを抱く。まあ、いずれにせよ未踏空間なので、憎悪も前出の如くだが、憧憬の方もたわいなく、グラス傾けた人の写真を見ただけで 「ヒデキーッ」てなもんで、数日脳裏をチラつく。最近では、朝日新聞に載った太地喜和子が実に良かった。あくの強い、誇り高い女が、飲んでパーッと明るく、心を広げているサマなど見せられると、それは私の化身であるとまで思い入れる。 一升ほど飲んだ気になり晴れ晴れとしてしまうのだ。

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